加藤一の新規事業とそれ以外のこと

加藤一がつれづれなるままに書き綴ります。Web系ベンチャー視点で書くことが多いです。

マネーフォワードのIPOの新株予約権の構成を調べてみた

新規上場したマネーフォワードの有報に出てきた多数の新株予約権取得者について、気になったので調べてみました。

結論から言うと、従業員にもストックオプションを配っている一方で大量にいる社外協力者すなわち会計事務所のトップの方にもストックオプションを配っているのが特徴です。

 

# 調査の方法について

調査資料は有価証券報告書を使ってます

プレスリリース「マネーフォワードが上場しました(東京証券取引所マザーズ市場への上場承認に関するお知らせ)」

 

# 調査の対象について

マネーフォワードは8回の新株予約権の発行をしています。

対象者が多いので各回ごとに500株以上の取得権利を有している人間だけを調べました。名前の横に役職について記述してあります。

 

## ざっくり言うと

### 新株予約で500株以上取得している人たち

1.辻さんをトップに立ち上げメンバー

2.そしてそれ以外の取締役

3.子会社取締役や執行役員

4.その下の本部長および部長クラス

5.さらにその下のプロダクトオーナーなどのプロダクトの責任者クラス

という構成です。

「プロダクトオーナーなどのプロダクトの責任者クラス」はエンジニアが多いですが、これはエンジニアがプロダクトをドライブするという方針のせいだと思います。

 

### 他社と比較した場合

Wantedly(ウォンテッドリー)のIPOがいろいろ凄いので考察

と比較した場合株を配る対象社員がとても多い印象を受けます。第六回では100人弱に100株単位で渡しているわけです。

管理職どころかある程度の社歴がある人間にはほぼ配っているのではないでしょうか。

 

### 特色として

職業税理士かつ社外協力者という名目の方が多いですね。

名前で調べてみると大手会計事務所の経営者であることがわかります。

 

### 実際並べてみると?

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ほぼ大手会計事務所の税理士さんが多いのが3回目の特徴ですね。

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### それで実際どれくらい儲かるの?

新株予約権とは「決まった額で株を買う権利」が与えられる制度です。

それを売り注文をかけることで「株を安値で買い、即座に高い市場価格で売る」ことで利益を得ることができます。

 

ではいくらで買えるか?というのを行使価格というのですが有報によると以下の通りです。

第1回 _24円

第2回 200円

第3回 350円

第4回 350円

第5回 550円

第6回 550円

第7回 1,500円

第8回 750円

第9回 750円

 

次にいくらで売れる?という点です。

想定価格1,330円となっていますが期待の大きい銘柄なので2,000円くらいまではすぐあがるんじゃないの、と思っています。

 

たとえばCTOの都築貴之さんの場合

3,900,400株を1745,300,000円で取得して ([第4回分 1000株 x 2000分割 x 350円 + 第6回分 950株 x 2000分割 x 550円 + 第8回分 (400株 x 750円)])

平均2,000円で売りさばくと約6億円強の利益になります。

(ロックインがありますし、CTOが上場直後に全株売るはずがありませんし、もし売ったらドン引きですがその点は無視します)

 

第6回で100人弱に配られた時に、仮に100株もらっていたら3000万円くらいの利益、1,000株なら3億円くらいですね。

 

長くなってしまいましたが今日はここまでとします。