MVPリリースの早期化の利点
エリック・リースはMVPという最小構成でリリースすることを勧めています。
なぜでしょう?
簡単に言うと、リリースするまでの開発というのは貴重なリソースを使って、誤った目標に向けて前進する「非効率な浪費的行為」だからです。
最初から正しい目標に向けて前進というのはスティーブ・ジョブズ級の天才ではない限り、不可能です。
一例として以下の図は、1つの軸で方向性がズレたケースを想定しています。
中学の数学で習いましたね?60度ズレただけで効率は半分になります。
実際には60度もズレるのは稀です。しかし製品というのはよほど明快に自己規定できない限り、複数の軸が絡み合うので少しずつズレた結果費やしたリソースの大半は全く成果に結びつかないところに浪費されます。
エリック・リースが早期リリースを薦めているのは「目指す目標は実在するか」という仮説検証を行うためと同時に、自分たちが正しい目標に向けて正しくリソースを消費できているか、という「弾着観測」を行うためでもあります。
逆に言えば、数千万円かけて作った製品を未だリリースしないというのは弾着観測をしないまま、軌道修正しないまま明後日の方向にペダルをこぎ続けていることでもあるので非常に非合理なことです。
ましてや2017年において億の単位の金をかけてようやくリリースというのは浪費行為に他なりません。
しかし残念なことに、いまだにこのようなケースは散見されます。